週4以上の頻回透析と透析量

2008/9/2 火曜日

透析量の標準化を試みてみた

前の記事で,週4では週3と同じ土俵でKt/VやURR指標を評価できないと言う結論に達しましたが,改めて週4以上での「頻回透析と透析量」を考えてみたいと思います。

透析百科 で示された計算式によると Kt/Vurea は single pool と two pool (今は,equilibrated と言うらしい)による方法があります。

大まかな変換式:

Kt/Vsp = (Kt/Veq-0.03)/(1-0.6/t)
Kt/Veq=Kt/Vsp -0.6(Kt/Vsp)/t + 0.03

で求められますので,Kt/Veq より単純な式

Kt/Vsp = ?ln( Ce/Cs?0.008・t )+(4?3.5・Ce/Cs)・ΔBW/BW

を使うことが多いのですが,これでも煩雑ですので,約20%程低めに出る事を知った上で次の簡便式を用いることにします。

Kt/V =?ln(Ce / Cs) ,Cs:前BUN値,Ce:後BUN値

URR は単純に

URR = (Cs?Ce) / Cs?×100

ですね。

で,この評価式の根拠となっている透析は,あくまでも4時間×週3回の透析であり,厳密には,前回の透析後の採血と,その68時間後(24×3?4)の透析前の採血よるBUN値を採用しているのですが,ややこしいので通常は,前回透析後より68時間後の前BUN値:Csと,更に4時間後の後BUN値:Ceとしているようです。

今回は,この「空き時間」の差が問題となっていますので,あえて以下のように元の定義に戻して考えます。

Ce:前回透析直後のBUN値,Cs:今回透析直前のBUN値

更に,この間の経過時間をPTとして頻回透析を週3回の「標準?」回数に置き換える試みをしてみます。つまり,頻回透析を週3回透析に「ならす」訳です。

何故そうするかというと,「PT時間掛けて体内でBUNがどれだけ増えたか」とする事によって,週4回透析を「もし週3回で行っていたなら・・・」と仮定できるからです。

この標準化した Cs を「CsN」とすれば,以下のように統一できます。

週3回 → CsN = Cs × (68/PT), PT = 68

週4回 → CsN = Cs × (68/PT), PT =?44

これで,一見「週n回透析に対応する万能式」が出来たかの様に見えますが,これだけではまだダメです。週7回にはこのまま適用できますが,週5回,週6回には適用できないことが判ります。PTが44のままですから,同一の評価になってしまうからです。週4回と週6回が同じと言うのは有り得ませんから。

そこで更に,週3回透析にならしてみることにしてみます。ここでは透析時間を4時間としていますが,汎用的には?68 = (24[時間/日] × 3[日] – 4[時間] ) と言うことになります。更に採血条件も追加します。

週3回 → CsN = Cs × (68 / PT)?× (3 / 3),PT = 68
週4回 → CsN = Cs × (68 / PT) × (4 / 3),PT = 44
週5回 → CsN = Cs × (68 / PT) × (5 / 3),PT = 44
週6回 → CsN = Cs × (68 / PT) × (6 / 3),PT = 44
週7回 → CsN = Cs × (68 / PT) × (7 / 3),PT = 18

共通条件:採血は前回透析より最も経過した時点で行う事

Ceは「最も低くなった時のBUN値」と言えますので,透析回数に関係なくそのままNCeと同等と考えていいでしょう。

で,これらの標準化されたBUN値を使って,

Kt/V = -ln(CeN/CsN), URR = (CsN?? CeN)/CsN × 100

と定義し直すことが出来ます。透析時間を汎用的に t として

週n回 → CsN = Cs × {(72?t) / PT} × (n / 3)
PT = 前回後採血から今回前採血までの経過時間

となります。実際に週3回,4.5時間と週4回,4.5時間の私のデータでは,

週3回:CeN = 15,CsN =?55 × {(72-4.5) / PT} × (3 / 3)
PT = 72? ? 4.5 = 67.5

∴ CsN = 55 × (67.5 / 67.5) × (3 / 3) = 55

従って,? Kt/V = -ln(15 / 55) = 1.23
URR = (55 ? 15) / 55 × 100 = 72.7[%]

週4回:CeN = 15,CsN = 45 × {(72-4.5) / PT} × (4 / 3)
PT =?48 ? 4.5 = 43.5

∴ CsN = 45 × (67.5 / 43.5) × (4 / 3) = 93.1

従って, Kt/V = -ln(15 / 93.1) = 1.82
URR = (93.1 ? 15) /?93.1 × 100 = 83.9[%]

つまり,週4回,4.5時間で Kt/V=1.2,URR=73[%] の透析は週3回,4時間の透析に換算すると Kt/V=1.8,URR=84[%]に相当すると言うことになります。

Dr.kusakari 曰う「Kt/V = 2以上,URR = 90[%]以上」が現実味を帯びてきました。現行より少し血流量を上げるか,5時間透析をすれば,目標を達成できそうです。 :)