在宅血液透析を知る

Home Hemo-Dialysis の意味で,家庭血液透析と訳すのが正しい。 世間では在宅血液透析の呼称が一般的。

文字通り在宅で「血液透析」を行うことにより,通院負担,時間制限などから解放され,自分にあったスケジュールで頻回*1に長時間透析が行えると言う大きなメリットがあります。勿論「院内感染」の心配も要りません。

しかし,患者およびその介助者になる方が一定以上の「知識」と「技術」を身につけなければならないという大きなハードルがあり,その様な介助者が必ず得られるわけではありません。

そこで最近では,8名以上の患者がグループを形成し,近くのワンルームやアパート等を借りて専属の看護師さんを雇って管理していただくと言う方法を実践しようと言う動きがあります。1台の個人機を2名が使うことで経費を浮かせ,その分を部屋代と看護師手当に廻すという考え方です。これで有れば,看護師が介助者兼機械操作を行って貰えますので,患者への負担も軽くて済みます。

また,各地域毎に「在宅医療」チームを結成することで,HHDは一気に広まっていくものと思われます。

とにかく,支援していただける医療チームが不可欠で,そう言った施設が近くに無い患者は,遠くの施設で教育を受け,地元に帰ってHHDを行うことになります。

日頃から TheInternet? でお世話になっている山羊先生の弁を借りると,HDP(Hemo-Dialysis Product)と言う指標を用いて適正な透析と言うのを評価するアイデア(スクリブナー,オレオポーラス両医師が提唱)があるそうです。それによると,

HDP = [1回の透析時間] × [1週の透析回数] × [1週の透析回数]

が70以上が適正なのではないかと評価されているようです。ですから通常行われている施設透析の一般的な例では

4時間透析を週3回行う「一般的透析」 → HDP = 4x3x3 = 36

にしかなりませんが,人件費を節減できるHHDであれば

2時間透析を週6回行う「頻回透析」  → HDP = 2x6x6 = 72
8時間透析を週3回行う「長時間透析」 → HDP = 8x3x3 = 72

と言うことが可能となります。十分に適正なHDPをクリア出来ることになります。

因みに,正常な腎機能で有れば24時間毎日透析していることになりますから

24時間透析を毎日行っている腎臓   → HDP = 24x7x7 = 1176

と,正に桁違いの数値になってしまいます。やはり自然には勝てません。

このことから,HDPが70を越えるというとは,

70/1176 = 0.06 i.e. 6%以上

と言うことになります。この数字は第4期の腎不全(末期腎不全)の腎機能:10%以下よりも少ない数字ですので,透析導入を考慮している時期の腎不全患者状態と言うことに。 つまり透析をしなくても大丈夫なギリギリの時期を維持できる程度と言うことで,これでもまだまだ「十分な透析」とは呼べないのかも知れません。理想的には10%以上の第3期腎不全程度にまで戻したいところです。そうするためには

1176×0.1 = 118 i.e. HDP = 2.5x7x7 = 122

程度の透析をすればいいことになりますので,毎日2.5時間の頻回透析が目標と言うことになります。


*1 毎日の透析も可能

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